本校校長と山梨の自坊の住職の二足の草鞋を履いておりますが、住職の方で表彰を受けました。住職在任50年と30年が表彰対象です。50年の対象者が17人、30年の対象者が54人でした。表彰式参加者は前者が5人、後者が25人でした。都合が悪くて参加できない人もいたでしょうが、高齢や体調不良で参加できなかった人もかなりいたのではないでしょうか。知り合いの住職も何人かおりました。管長猊下から感謝状をいただき、感激いたしました。記念写真のあとはお斎をいただき、参加者と懇談いたしました。私は現在、71歳ですから、21歳の時に住職に就任したということになります。先住が早く亡くなりましたから、この若さでということになります。西も東も分からず、寺の役員は私の祖父くらいの年齢ですから、私など小僧っ子扱いでした。その後、教員に採用され、今度は住職と高校教師の二足の草鞋を履くこととなりました。公務と法務の板挟みになり、悩んだものです。修学旅行とか、スキー教室といった時には決まって葬式が出るのです。熱海に職員旅行に行って温泉にも入らず、帰ったこともありました。晋山した寺は荒れ果てていて部屋の中から空が見えました。天井からは屋根材の藁がバラバラと落ちてきます。雨が降ると壁を伝って雨が漏りました。天井裏は蛇や蝙蝠の巣になっていました。その後、50年、檀家さんのご協力を得て少しずつ手を入れ、雨漏りのひどかった屋根も銅板葺きにすることができました。庭の手入れも行い、見違えるように整備されました。檀家さんや参拝者からきれいになりましたね、京都のお寺のようですねと褒められることがあります。50年は過ぎてしまえばあっという間ですが、振り返ってみると感慨深いものがあります。今、ほぼ私の仕事は終わったかなと思っています。校長の人気が後3年ありますから、浅学菲才の私にどこまでできるか分かりませんが本校の発展のために全力を傾注する決意でいます。好きな学校ですから・・・。