林裕人シェフをご存知でしょうか。探偵ナイトスクープやミヤネ屋の愛のスパルタ塾に出ており、関西では有名なシェフです。彼がスランプに陥って思い悩んでいた時に高野山に登りました。奥の院や金剛峯寺など、あちこち参拝して回ったのでしょう。そんな折、山内のお菓子屋のかさ國に立ち寄り、「みろく石」という饅頭を買って頬張ります。美味しかったことは勿論でしょうが、これが精神に作用して生きる力が内面から湧き上がってきたようです。スランプを脱して心機一転、シェフとしてもう一度やり直してみようと思うに至ったのでしょう。食べ物には精神に作用する力があるようです。食べ物によって精神的に再生できるというのは考えてみれば不思議なことです。私の場合、心身のエネルギーの欠如を感じた時に口にするのはウナギです。ウナギを食べると体中にエネルギーがみなぎって来るように感じられます。我々は食べ物そのものではなく、その食べ物の醸し出すイメージを合わせて食べているような気がします。そういう意味では林シェフは単なる饅頭というのではなくて「みろく石」というイメージも合わせて摂取し、元気を回復したのでしょう。合掌